荒神さん

ぽけ子

2012年01月29日 17:42


伊豆の国市の韮山地区南條にある荒神社では、毎年1月28・29日に『荒神さん』と呼ばれる一年に一度の祭典が行われます。火伏せ(火難・火傷・防火)の神様を祀られて、竈(かまど)の神様として信仰を集めています。

我が家でも義母が毎年毎年お札をいただくために、お参りがしたいと言うことで、ぽけ子が車で送迎するのが、常になっています。今朝も朝から義母が親戚のお札を集めたりして、合図の花火が鳴るのを心待ちにしている様子。お昼を食べてから息子を連れそろそろとお参りに向かいました。

 


荒神社は、韮山の名所として名高い蛭ヶ小島と反射炉のちょうど中間位。田んぼの真ん中にある小さな小山の上にあります。『荒神さん』の時だけ参道には、十数軒の屋台が並びます。息子は、すでに何か買ってもらいたい様子。「お参りをすませてから!」とぽけ子の檄(げき)が飛びます。



お年寄りの参拝者のためか、それとも関係者の好みなのか演歌が流れる小山には、118段の石段があります。手摺(てすり)もあるのですが、少し急なため、70を過ぎた義母は、少し息を弾ませ膝を押さえながら上ります。元気盛んな息子は普段ならあっと言う間に上ってしまいますが、途中途中後ろを振り返りながら、辛抱強く待っています。振り返ると除々に景色が広がってきました。



お社(やしろ)は、建て替えられていて割と新しい感じですが、境内にある石灯籠には、天保年間の文字。昨年我が家をお守りいただいたお札を納め、お参りします。「昨年は、ありがとうございました。今年一年も火の事故、火傷などからお守り下さい。」と心の中でお願いしていると、すでに息子はお楽しみの抽選会の方へ心が飛んでいます。一回300円。昨年までは確か自転車なんて賞品もあったけど、どうやって下まで降ろすんだろう?なんて当たりもしないのに、余計な心配をしたものです。



今年の目玉は伊豆長岡にあるサンバレーのバイキングペアご招待と江間のいちご狩りらしい。今年の運だめしです。実際にぽけ子宅で当たる賞品といえば、バケツやホウキ、ラップや洗剤、傘などすぐに使えるものばかり。それでも、三角くじを開く時のワクワク感はなかなかのもの。今年一番は、息子が当てたホウキでしたww



上りの時は義母を待ったりしていた息子も、下りの時は一気に駆け降ります。屋台で何を買ってもらうか決めに行くためでしょう。ぽけ子と義母が下に辿り着いた時には、「アレとコレと…。」とまくし立てます。当然「一個だけ!」とぽけ子にいなされ少し肩を落としながらBB弾の拳銃、しめて400円也。屋台には、「荒神さん」名物のとだんご(十団子,糖団子)や飴細工などには目もくれないのは、男の子だからでしょう。さくら棒をお土産に家路につくことにしました。

 


いただいたお札の中には、火伏せのお守り「すみんちょ」とお札、お饌米が入っています。「すみんちょ」は一辺が1cmにも満たないのサイコロ型の木で出来ており、一面ずつに「奥・津・姫・命」と印字されており、これを包み込んでいるこよりを、昔は囲炉裏(いろり)の自在鈎(じざいかぎ)に結びつけました。お札は竈の上に設けられた「荒神様」の祠(ほこら)に納めたそうです。

我が家では、冷蔵庫に磁石で付けられていますが、例年火の事故も起きず、お守りいただいています。



荒神社
静岡県伊豆の国市南條1486

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