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2013年07月27日

30分で行ける故郷体験~浮橋~



今日(7月27日土曜日)は、早起きしました。
ぽけ子にしては、かなりの早起き…4時。
少し薄明るくなってきた伊豆の国市の早朝。
眠い眼を擦りながら身支度を整え、一応息子の様子を見に行きます。
しかし、昨夜主人と夜ふかししていた息子は起きようとはしません。
大いびきで眠っている主人の横でスヤスヤzzzZZZZ
さすれば、ぽけ子だけでも!っと思い、愛車の黄色い車に乗り込みます。
本日の目的地は、ぽけ子の住んでいる伊豆の国市の端っこから、丁度反対側の伊豆の国市の端っこ。旧大仁町の浮橋地区です。



街中から離れた集落であるこの地区は、地区の方々の自主的な活動で、浮橋地区の良さ知ってもらおうと、様々なイベント(蛍の観察会とそうめん流し、都会っ子の田舎暮らし体験、幻のそばづくり等々)が催されています。
本日はそのイベントの一つ、毎年恒例のお楽しみイベント、カブトムシ・クワガタ採り体験。
都会っ子(?)のぽけ子は、お店で売っているそれらの虫達や、まちがって町に迷い込んできた虫達しか見たことがなく、お山の中で暮らす虫達をどの様に暮らしていて、それらをゲットできるのか、知りませんでした。
これらのイベントを行っている浮橋まちづくり実行委員会の会長、土屋實さんにお声をかけていただき、取材も兼ねてワクワクな冒険(こっちの方が強いww)魂を抑えきれず、参加させていただくこととなりました。
普通の方なら車で約25分位。運転の苦手なぽけ子には、亀石峠を目指すこの道はかなりの難所。約40分をかけてのノロノロドライブも、こんな早朝なら後続車にご迷惑をおかけすることはありません。

浮橋公民館に集合・受付は5時ジャスト。ギリギリ間に合い、同行させていただく11組31名の函南・伊豆市・伊豆の国市周辺にお住まいのご家族(遠くは川崎から2時間半をかけてこられたご家族も…)と実行委員(本日は12~3名)の皆さんにご挨拶。
2班に分かれ、お目当ての虫達のいるクヌギ林まで、車で移動です。

 

ちなみにぽけ子の運転の腕前をご存知の土屋さんが実行委員さんの車に同乗させていただける様お手配いただきました(笑)。
クヌギ林の入り口で車を置き、いよいよ山へ分け入ります。
(ちなみ、このお山私有地につき通常は無断で採取しては、No!No!です。)
持ち物…虫かご・長袖・長ズボン・虫よけスプレー・サンダル不可っと書かれていたのに、虫よけスプレーを持ち忘れたぽけ子に、実行委員の方「がスプレー掛けないとひどい目にあうよ。自然をなめちゃだめだぁ~。」っと笑いながら、スプレーを貸してくれました。



てっきりぽけ子は、カブトムシやクワガタを採ると言うので、網で採るとばかり思っていたのですが、昔のわんぱくであっただろう実行委員のガイドさんの説明によると、朝早くクヌギの木にとまっている虫達は、木を蹴っ飛ばしたり、木槌で叩くことで、落ちてくるとのこと。
本当かなぁ…。半身半疑のまま、実行委員のガイドさんの
「子ども達が虫をゲット出来るかどうかは、お父さん・お母さんのガッツにかかっています!」という掛け声に、お父さん・お母さん達の闘志に火が付きました。
少し斜面になっているクヌギの林をお父さんやお母さんが次々と蹴飛ばし、落ちてくる虫に子ども達が駆け寄りながら下っていきました。
本当にクワガタが落ちてきます。
虫が苦手なぽけ子にはその種類の区別がつきませんが、子ども達の方が「ノコギリだぁ!」「ヒラタだぁ!」「ミヤマいないかなぁ?」などとはしゃいでいます。



実行委員のガイドさんは木槌でクヌギの木を叩きながら、お父さん・お母さん達の手助けをしてくれます。
「クヌギの木を見分けるのが基本だけど、それも枯れた木とか、太くて大きい木じゃない方がいいんだよ。樹齢が3~4年位の木が一番樹液がよく出てくるから、虫が集まりやすいんだ。蜂とかが傷つけたところから出るんだよ。」

場所を少し変えて2か所廻っての成果は、それぞれの家族で5匹~10数匹とマチマチでしたが、子ども達の顔はとても満足気でした。

ぽけ子の同行した第2班はクワガタばかり採れて、「今年はカブトムシはあまりいないのかなぁ?」っと思っていたら、別の第1班はカブトムシだらけ。
場所が違えば、採れる獲物も変わる様です。



浮橋公民館に戻ると、実行委員さんから、こんな質問が…
「今日の獲物が0匹の人!」
誰もいません。
「1匹の人!」
男の子が1人照れながら前に出てきました。
「2匹の人!」「3匹の人!」「4匹の人!」…
別に成績発表をするためにではありません。
万が一採れなかった場合を考えて、事前に実行委員のみなさんでで採っておいてくれたのを、採れた数が少ない子から順に選んでもらえることが出来るのです。



事前に用意してくれたカブトムシとクワガタの数は30匹以上。
とても、一日や二日で集められる数ではありません。
自然溢れる地にあっても用意ではなかったことでしょう。
クヌギの林を分け入り…。

  

なぜここまで浮橋まちづくりの方々はイベントに力を入れてらっしゃるのでしょう。
浮橋地区にまた遊びに来てもらいたいという会長さんの挨拶の言葉とともに、子ども達に話しかける実行委員の皆さんのとても優しげな表情を見るにつれ、
そして、年齢差のある実行委員さん同士の気心の知れた会話を耳にするにつれ、
こんな風に街と山村(浮島は山村と言うほど離れてはいないけど…)という場所の距離感も、子ども達と大人たち同士の世代の離れた距離感も、関係なくなく一緒に笑い合っている。かつての故郷で育まれていた人と人結びつきは、こんなもんだったのではないでしょうか?




帰りがけにこっそり(笑)分けていただいた朝採りのとうもろこしは、いまだかつて味わったことのないほど甘く、懐かしい味がしました。
浮橋まちづくり実行委員会主催のイベントなどは、こちらのページで告知されます。
→ http://ukihashi.jp/




また、浮橋地区の集落の奥には、伊豆の国市市民の森浮橋があります。
スズメ蜂の看板は気になるところですが、小川の流れる自然公園です。
一度訪れてみて下さい。

市民の森 浮橋(しみんのもり うきはし)
住 所:伊豆の国市浮橋1603-4 
T E L :055-948-0304
アクセス:
・車でお越しの方
 沼津ICより伊豆中央道 大仁中央ICを降りてから伊東方面(亀石峠方面)へ、
 または国道136号線三福I.Cを伊東方面へ向かい、主要地方道伊東・大仁線経
 由、県道田原野函南停車場線沿い。三福I.C.より約25分
 また、修善寺温泉からでは途中より上記同様のルートに入り約30分
パーキング: あり(無料)

  

Posted by ぽけ子 at 22:59 Comments( 0 ) 伊豆の国

2013年07月19日

ジオサイト守山(自然と歴史) その④



そして、いよいよ国宝のある願成就院へ。途中鎌倉街道を通りながら、増島さんが「この辺は、今が住宅が立ち並んでいますが、浄土庭園という池だった。中之島に弁天様が祀られていたそうです。」とおっしゃられました。
願成就院の諸仏像の国宝関連の報道で川勝静岡県知事が触れられた浄土庭園。平泉の毛越寺、宇治の平等院と並ぶ浄土式庭園とは…
Wikipediaによると、平安時代から鎌倉時代にかけて築造された日本式庭園で、仏教の浄土思想の影響を大きく受け、極楽浄土の世界を再現しようとして金堂や仏堂などの寺院建築物の前に園池が広がる形をとっていたそうです。歴史ガイドの会の迫田さんによると、その中之島にあったとされる弁天様の像の頭部だけが残っていて、近くの光照寺にあるそうです。
ちなみに願成就院にあった「吾妻鏡」記録と発掘調査から復元されたミニチュアの浄土庭園は、現実に復元されたら見てみたいと思わせるものでした。



願成就院は、鎌倉幕府初代執権北条時政が、頼朝の欧州平泉討伐の戦勝祈願のために1189年に建てました。その後、北条氏の氏寺として次々と伽藍が増築されましたが、戦国時代の相次ぐ戦乱で、ほとんどの堂・塔が消失し、繰り返す戦乱の中、僧侶たちが守り切った大御堂本尊阿弥陀如来坐像、毘沙門天像、不動三尊像の5体が、今回国宝に指定されるとされています。
こちらからは、歴史ガイド迫田さんの解説となります。
この諸仏像は戦前は国宝であったが、戦後、国の重要文化財に指定され、今回再び国宝に再指定されたそうです。1977年の修復の際レントゲンで毘沙門天像と不動三尊像の胎内にあることが確認され、取り出だされたされた運慶が時政公の発願で仏像を作りはじめたことが記されている塔婆型銘札。これらが胎内にあったことで、運慶が確かにこれらの仏像作った証となったことと、初期の大日如来像(奈良円成寺)と後期の金剛力士像(奈良・東大寺)の間を埋める、写実的な力強い仏像ということで、指定されれば、中部地方初の彫刻・仏像の国宝になります。
仏像鑑賞初心者のぽけ子に、仏像鑑賞しどころを教えていただいた所によると、阿弥陀如来坐造は、説法印という形に結んだ指の先が欠けていることで、指の間にある縵綱相(まんもうそう…如来様は手足の指の間に水かきの様な膜があり、水ももらさないほど、衆生を救い上げるという意味があるそうです)がよーく拝見できること。毘沙門天像は玉眼という鎌倉時代以降に一般化した技法で、仏像の目の位置をくり抜き、そこに水晶をはめ込んであるということでした。そして、また無知をさらけ出す様でお恥ずかしいのですが、これらの仏像は、寄木造と呼ばれるもので、一本の木から一人で彫り出した像ではなく、運慶が属していた慶派と呼ばれる仏師の集団による分業で造られているということでした。当時、沢山の仏様を造り、造寺に励めば大いなる徳があるという思想のもと、仏様の大量生産の要望がたかまり、短期間で仕上げられるように、分業化した寄木造が起こったそうです。運慶の作とされる仏像も数多く、先日訪れた国清寺の奥にある毘沙門堂の山門にも運慶作とされる金剛力士像があります。ちなみに願成就院の不動三尊像は、現在東京にあり5月上旬には、5体揃って鑑賞が出来るとのことでした。←現在は勿論戻ってきています(2013年7月現在)



仏様の安置されている大御堂の裏手に宝物館があり、政子地蔵菩薩像や曼荼羅などが展示されています。そこに、毘沙門天像と不動三尊像から取り出だされた塔婆型銘札も展示されています。

願成就院の大御堂並びに宝物館の拝観料
一般大人400円、中高生200円、小学生150円
団体は20名以上からで大人300円
拝観時間10時~16時までとなっていますが、見ごたえありだと思います。



ちなみに、願成就院では開山八百周年記念事業として、石彫五百羅漢というのがありました。永代供養料を含めた料金をお支払すると材料・機材を提供してくれて、専門家の指導を受けながら自分なりの羅漢を制作出来るというもので、500体限定ということでしたので、まだ残っているかは不明です。平成の五百羅漢は、メガネをかけていたり、ワインを持っていたりと色々でなんだかクスリっと笑えるものや、心温まるものなどとても興味深く拝見しました。


今回のジオツアーは、本当に数千年前の海底火山から陸化し始めた頃から狩野川放水路を生み出していくまでの大地の物語と鎌倉時代から戦国時代までの歴史とそこに隠された悲しい女性の物語など、盛りだくさんな内容の旅でした。説明が長すぎて読み難い箇所も多々あったと思いますが、ぽけ子の家から歩いていける場所に、こんな場所があると知って、「本当に伊豆の国って奥が深いじゃん!いろんなこと勉強すると面白いじゃん♪」と単純に喜んでしまったぽけ子の感動が少しでも伝わればと思います。

ちなみに、静岡県地学会東部支部のこの様なジオ関係のツアーは、三島市の郷土資料館が共催していることが多く、広報三島などに募集が掲載されます。



伊豆の国市では、今回のツアーにも同行された迫田信行さん(前会長)も所属されている県内有数のボランティアガイドの会「伊豆の国歴史ガイドの会」があり、十数年以上前から活動され、通算15万以上の方々をご案内されています。土日祝日には、25名のボランティアガイドの内5名の方々が当番として、江川邸、反射炉、蛭ケ小島の三か所(今後願成就院も検討中)に分かれて立たれ、観光で訪れた方に積極的に声を掛けてご案内をされていらっしゃるそうです。所属されていらっしゃる方々の中に地元出身の方は少なく、伊豆の国に住まわれてその良さを知った方々は、ボランティアガイドとなられることが多いそうです。通常のガイドの他に、ご要望に応じて伊豆の国各所をご案内するオプションガイドも無料で行っていて、特に迫田さんは、伊豆半島ジオパーク認定ジオガイドの資格もお持ちなので、ジオに関するスポットもご案内もしていただけます。
詳細は、伊豆の国市商工観光課(055-948-1480)か伊豆の国歴史ガイドの会(055-949-8866)までお問い合わせください。