2019年10月07日
伊豆半島の魅力勉強武者修行中(その1〜西海岸編〜)一色枕状溶岩の巻
いやぁ〜。本当久しぶりのブログを更新です。誰かに読んで貰うためではなく、学んだことを頭の中で整理するための投稿なので、とっ散らかっていたらごめんなさい(笑)。
西海岸というとついついカルフォルニアの青い空を思い出してしまいますが、今日は伊豆半島の西海岸ということで西伊豆町の黄金崎・堂ヶ島・一色と松崎町の弁天島と室岩洞を巡ったお話。

伊豆半島の西海岸は、もちろん海が西側にひらけているので、夕陽が海に沈み、しかも富士山が駿河湾の向こうに見え隠れするので、風光明媚な景勝地なのですが、なぜか伊豆を旅する人は都心に近く、交通の便の良い東伊豆をイメージする人が多く、ぽけ子の私見ですがちょっと寂しげな感じがします。夏の海水浴にくる人の多くも、日本でも有数のエメラルドグリーンのの海の広がる白浜海岸とか南伊豆に向かってしまうので、割と西伊豆の海水浴場は穴場だったりします。
ぽけ子にとって西海岸は月約一回天城の水を汲むために行き来するし、自分のねぐらから割と近いので遊びに行きやすい場所です。それこそ、元気があるときはチャリでサイクリングして大瀬崎(西海岸って言うにちょっと付け根すぎるけど西の海岸線沿いにあるから)まで行くこともあります。ただ通り過ぎるだけでも海岸線の綺麗さや、堂ヶ島周辺の面白い形の岩や島には興味を惹かれていました。でも改めてジオパークという視点から巡ってみるともっともっと奥が深いなぁと感じました。
伊豆半島ジオパークにご興味のある方は伊豆半島ではいたるところでジオ(地球の活動を肌で感じて、自然とともに暮らした人々の営み)を感じることができる場所だってのは、分かってくれていると思いますが、西海岸では伊豆半島ができる前の海底火山だった頃のことまで感じることが出来るんです。
前にもブログに書いた通り、伊豆半島は日本の他の地域とちょっと成り立ちが違っていて、ザックリ言うと、日本の数百km南の沖の深い海底で、最初の類人猿が地球に誕生した頃(2000万年前位)に活動していた海底火山がプレート(地球の表面を覆っている分厚い岩盤で十数枚に分かれていてその上に陸地や海がある)の上に乗っかって北上位してきて本州に衝突し、押し合いへし合いして半島になっちゃったところです。(詳細は確かな情報源伊豆半島ジオパークのHPでご確認下さい。)
今私たちが見ている景色は、本州とガッチリ地続きになっている伊豆半島しかないので、なんとも想像し難いですが、現在もこのプレートは北上を続けていて、伊豆半島と同じプレート上に乗っかっている伊豆大島や新島はいつか本州にくっついちゃうと思われています。
伊豆の西海岸にはその一番古い海底火山だった時の名残りを見ることができるところがあるんです。ぽけ子が水を汲みに行く時毎回通るところなのですが、西伊豆町と松崎町の間にあるの仁科川沿いで、ジオスポットとして看板もでている、一色(いしき)の枕状溶岩です。実際見ると枕と言うにはなんか丸っこ過ぎて少し寝にくい様な気もしますが、いかんせん英語でPillow Lava(ピロートークじゃないですよ!)というので、枕の様な溶岩と訳されます。
火山から吹き出される溶岩は地上で吹き出された時と海の中で吹き出された時では異なった形状で痕跡を残します。もの凄く熱々な溶岩が空気の中に吹き出されるのと水の中で吹き出されるのでは違うというのは、薄々分かる気がしますよね。
で、この一色の枕状溶岩は伊豆半島の他のところとは異なって玄武岩質(中でもアルカリ元素を割りかし多く含む玄武岩)の柔らかい溶岩です。この溶岩がゆっくりとした速度で流れ出た時に、外側が先に冷えてきて固まるが、中を熱々の溶岩が流れてきて、丁度ソーセージを作るときに豚や羊の腸にひき肉とかの中身を絞り出したみたいにムニュムニュと押し出されてきて、チューブ上に固まります。それが幾重にも積み重なって枕状溶岩を作り、丁度一色にあるそれは断面図みたいに丸まっこい石の塊が積み重なって見えるのです。
枕状溶岩の出来る様子が下の動画でご覧いただけます。
ぽけ子は説明を聞くまで、よくお掘りやなんかで見るような自然岩を組み合わせ作った石垣みたいに見えたのですが、隙間なくまた同じ様な形で同じ様な色の岩が、しかもちょっと枕の両側が垂れ下がっているのを教えていただいて違いが分かった様な気がします。
なぜこの一色の枕状溶岩が伊豆半島で一番古く出来たものかと分かるかというと、溶岩の中は当然熱々なので、生物の化石は無いのですが、その上の地層に含まれたプランクトンや原生生物である有孔虫(よくお土産屋さんで見かける星砂も有孔虫の殻です)の化石が1800万年前位にしか生息していない種類だったので、それより下にある地層だからその様に推定できるということでした。(大昔のことは意外とザックリしているのがぽけ子好み。)
有孔虫に関しては以下の冊子が参考になりました。
Blue Earth: 海と地球の情報誌 第25巻 第4号(通巻126号)
http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/doc_catalog/metadataDisp/be126_all

一色の枕状溶岩には大きな岩脈が二本斜めに入っていますが、これは枕状溶岩の地層が出来た後に、ちょっとした亀裂の中に溶岩が入り込み、亀裂を押し広げてその幅を広げ、板状に噴出してきたものです。岩脈は積み重なる地層を突き抜ける様に垂直だったり斜めに伸びる板状の岩の板なので、結構違いが見て取れます。
伊豆半島ジオパーク内だと西伊豆町の黄金崎や浮島(ふとう)海岸、南伊豆町の妻良(めら)湾、熱海市の網代付近などでスケールの大きな岩脈群が見られますが、この一色では間近にみることが出来て、逆にその違いがよく観察できた気がしました。
ちなみに玄武岩は鉄分を多く含むので磁石がくっつくのですが、この枕状溶岩は風化が進んでいるので磁石がくっつきません。風化が進んでいないので、岩脈の方では磁石がくっつきます。(写真の白く光った四角のがビニール袋に入った磁石なんだけど…ちょっと強力なネオジム磁石というのが良いらしいです。)
一色枕状溶岩のスポットは住民の方々が自主的手入れをし、大切に管理をしてくれています。古い地層のため脆いので、崩れてくる恐れもありますので、気をつけて観察しましょう。また、許可なくハンマーで叩いたり、崩したりしないで下さい。子供達へ残すべき大切な伊豆の大地の記憶(宝)です。また道路が大変狭く車を停車するスペースも限られていますので、乗り合わせの上住民の方々に配慮して通行しましょうね。

西海岸というとついついカルフォルニアの青い空を思い出してしまいますが、今日は伊豆半島の西海岸ということで西伊豆町の黄金崎・堂ヶ島・一色と松崎町の弁天島と室岩洞を巡ったお話。
伊豆半島の西海岸は、もちろん海が西側にひらけているので、夕陽が海に沈み、しかも富士山が駿河湾の向こうに見え隠れするので、風光明媚な景勝地なのですが、なぜか伊豆を旅する人は都心に近く、交通の便の良い東伊豆をイメージする人が多く、ぽけ子の私見ですがちょっと寂しげな感じがします。夏の海水浴にくる人の多くも、日本でも有数のエメラルドグリーンのの海の広がる白浜海岸とか南伊豆に向かってしまうので、割と西伊豆の海水浴場は穴場だったりします。
ぽけ子にとって西海岸は月約一回天城の水を汲むために行き来するし、自分のねぐらから割と近いので遊びに行きやすい場所です。それこそ、元気があるときはチャリでサイクリングして大瀬崎(西海岸って言うにちょっと付け根すぎるけど西の海岸線沿いにあるから)まで行くこともあります。ただ通り過ぎるだけでも海岸線の綺麗さや、堂ヶ島周辺の面白い形の岩や島には興味を惹かれていました。でも改めてジオパークという視点から巡ってみるともっともっと奥が深いなぁと感じました。
伊豆半島ジオパークにご興味のある方は伊豆半島ではいたるところでジオ(地球の活動を肌で感じて、自然とともに暮らした人々の営み)を感じることができる場所だってのは、分かってくれていると思いますが、西海岸では伊豆半島ができる前の海底火山だった頃のことまで感じることが出来るんです。
前にもブログに書いた通り、伊豆半島は日本の他の地域とちょっと成り立ちが違っていて、ザックリ言うと、日本の数百km南の沖の深い海底で、最初の類人猿が地球に誕生した頃(2000万年前位)に活動していた海底火山がプレート(地球の表面を覆っている分厚い岩盤で十数枚に分かれていてその上に陸地や海がある)の上に乗っかって北上位してきて本州に衝突し、押し合いへし合いして半島になっちゃったところです。(詳細は確かな情報源伊豆半島ジオパークのHPでご確認下さい。)
今私たちが見ている景色は、本州とガッチリ地続きになっている伊豆半島しかないので、なんとも想像し難いですが、現在もこのプレートは北上を続けていて、伊豆半島と同じプレート上に乗っかっている伊豆大島や新島はいつか本州にくっついちゃうと思われています。
伊豆の西海岸にはその一番古い海底火山だった時の名残りを見ることができるところがあるんです。ぽけ子が水を汲みに行く時毎回通るところなのですが、西伊豆町と松崎町の間にあるの仁科川沿いで、ジオスポットとして看板もでている、一色(いしき)の枕状溶岩です。実際見ると枕と言うにはなんか丸っこ過ぎて少し寝にくい様な気もしますが、いかんせん英語でPillow Lava(ピロートークじゃないですよ!)というので、枕の様な溶岩と訳されます。
火山から吹き出される溶岩は地上で吹き出された時と海の中で吹き出された時では異なった形状で痕跡を残します。もの凄く熱々な溶岩が空気の中に吹き出されるのと水の中で吹き出されるのでは違うというのは、薄々分かる気がしますよね。
で、この一色の枕状溶岩は伊豆半島の他のところとは異なって玄武岩質(中でもアルカリ元素を割りかし多く含む玄武岩)の柔らかい溶岩です。この溶岩がゆっくりとした速度で流れ出た時に、外側が先に冷えてきて固まるが、中を熱々の溶岩が流れてきて、丁度ソーセージを作るときに豚や羊の腸にひき肉とかの中身を絞り出したみたいにムニュムニュと押し出されてきて、チューブ上に固まります。それが幾重にも積み重なって枕状溶岩を作り、丁度一色にあるそれは断面図みたいに丸まっこい石の塊が積み重なって見えるのです。
枕状溶岩の出来る様子が下の動画でご覧いただけます。
ぽけ子は説明を聞くまで、よくお掘りやなんかで見るような自然岩を組み合わせ作った石垣みたいに見えたのですが、隙間なくまた同じ様な形で同じ様な色の岩が、しかもちょっと枕の両側が垂れ下がっているのを教えていただいて違いが分かった様な気がします。
なぜこの一色の枕状溶岩が伊豆半島で一番古く出来たものかと分かるかというと、溶岩の中は当然熱々なので、生物の化石は無いのですが、その上の地層に含まれたプランクトンや原生生物である有孔虫(よくお土産屋さんで見かける星砂も有孔虫の殻です)の化石が1800万年前位にしか生息していない種類だったので、それより下にある地層だからその様に推定できるということでした。(大昔のことは意外とザックリしているのがぽけ子好み。)
有孔虫に関しては以下の冊子が参考になりました。
Blue Earth: 海と地球の情報誌 第25巻 第4号(通巻126号)
http://www.godac.jamstec.go.jp/catalog/doc_catalog/metadataDisp/be126_all
一色の枕状溶岩には大きな岩脈が二本斜めに入っていますが、これは枕状溶岩の地層が出来た後に、ちょっとした亀裂の中に溶岩が入り込み、亀裂を押し広げてその幅を広げ、板状に噴出してきたものです。岩脈は積み重なる地層を突き抜ける様に垂直だったり斜めに伸びる板状の岩の板なので、結構違いが見て取れます。
伊豆半島ジオパーク内だと西伊豆町の黄金崎や浮島(ふとう)海岸、南伊豆町の妻良(めら)湾、熱海市の網代付近などでスケールの大きな岩脈群が見られますが、この一色では間近にみることが出来て、逆にその違いがよく観察できた気がしました。
一色枕状溶岩のスポットは住民の方々が自主的手入れをし、大切に管理をしてくれています。古い地層のため脆いので、崩れてくる恐れもありますので、気をつけて観察しましょう。また、許可なくハンマーで叩いたり、崩したりしないで下さい。子供達へ残すべき大切な伊豆の大地の記憶(宝)です。また道路が大変狭く車を停車するスペースも限られていますので、乗り合わせの上住民の方々に配慮して通行しましょうね。
Posted by ぽけ子 at 16:15│Comments(0)
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