2019年12月24日
伊豆半島の魅力再勉強武者修行中 〜長泉三島エリアその1〜

箱根・愛鷹山(一番古い活動で40万年前位)また、本州と伊豆半島との境界付近に富士山(およそ10万年前)が誕生し、火山活動が活発化します。今回ご紹介するのは、概ね富士山での地殻変動がこのエリアにもたらした様々な影響が主となります。
皆さんご存知のように、富士山は活火山です。活火山というのは火山噴火予知連絡会での定義(2003年)によると、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」ということで、現在日本には111箇所となっています。(気象庁HPより)
静岡県内では富士山、箱根山、伊豆東部火山群ということで、ほぼ県内の東部に位置することとなります。
富士山の山頂が最後に噴火したのは1707年(宝永4年)、宝永火口を作った噴火で非常に大きな噴火でした。よくテレビとかで想定される富士山の噴火というとこの宝永の大噴火を取り上げられます。この噴火は富士山の噴火の中でもかなり大規模な噴火で、多くの火山灰も振らせていて(首都圏でも約1cm程度)、各地に様々な影響を与えた活動とおもわれます。しかしそれ程の影響を与える富士山の噴火も有史時代になってからは、781年の噴火以来10回で、宝永大噴火クラスの大噴火は、864年(貞観6年)の噴火(貞観噴火)で、青木ケ原樹海を作り、富士五湖のうちもとは一つだった精進湖・西湖を分断し、本栖湖を形作った噴火位です。もちろん、災害への備えという意味でいえば、その想定は間違いではありませんが、やみくもに恐れるばかりでなく、正しい知識で富士山を理解すべきだと思います。
ちなみ富士山の参考図書としてのおすすめは
静岡大学の小山真人先生の「富士山 大自然への道案内」(岩波新書) です。
富士山の歴史、地質的な内容とともに、ハイキングのガイドとしても面白かったです。
で、今回のエリア内でみられる富士山がもたらした影響は2つです。まず、富士山の火山噴火にともなう溶岩(主に三島溶岩と呼ばれている)は、地表に現れているだけでも、三島・長泉の町中や黄瀬川の川床などいたるところで見られます。この溶岩は有史時代よりもっと時代を遡って約1万年前位、縄文時代の富士山の噴火に伴ってこのエリアに流れ込んできた溶岩となります。このへんにその縄文人が住んでいたか不明ですが、住んでいたとしたら大変深刻な影響を受けたかもしれません。溶岩は、愛鷹山と箱根に挟まれていたため、現在の大場川と黄瀬川の間を流れてきて、この周辺で止まったと考えらています。実のところ先端は正確な場所は分かっていません。ただ、柿田川までは溶岩があることは確認されていて、もう少し南まで流れているのではないかと考えられていますが、地下20m位のところにありますが、川の土砂に埋もれてしまっています。地上で見えている末端が今回のエリアに充ります。
もう1つは、今の御殿場市、小山町を形成した2900年前に起きた「御殿場岩屑(がんせつ)なだれ」とその後に続く「御殿場泥流」(雨が降ったりして、一度溜まった岩屑なだれの堆積物が再び移動してくる現象)です。富士山のような3000mを超える成層火山(度重なる噴火の噴出物を積み重ねて成長する山)では、上部にいけばいくほど地盤が安定しなくなり、地震や火山などの衝撃で地すべりを起こすことがあります。海岸で砂の山を作っているとき、高く高く積み上げると上の方が安定しないで一部が崩れてきて悲しい思いをするのと似ています。富士山は大体3〜5千年に1回位の頻度で巨大な山崩れを起こしてきました。そして最も最近起きたのが先程の「御殿場岩屑なだれ」でその後に続く「御殿場泥流」によって、このエリアの地盤形成に大きな影響を与えました。
Posted by ぽけ子 at 21:09│Comments(0)
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