2012年06月16日
三島街中探検記(ジオを感じる処)
三島をよく歩かれていらっしゃる方なら、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、街中にこんな壮大な大地のドラマの痕跡を見れる所があるのをご存じですか?
JR三島駅の南口を少し南に下った、三島商工会議所の前の二又の真ん中にある『愛染院跡の溶岩塚』(市指定天然記念物)です。(所在地:三島市一番町)
今から約1万4千年ほど前(※注1)富士山の南東麓の中腹あたりから噴出した溶岩が、愛鷹山(あしたかやま)にさえぎられ、その東側をまわり、箱根西麓との間を南下してきました。この時期の溶岩は噴出量が多く、珪酸分(けいさんぶんSiO2)の含まれる量が少なく、粘り気が少ない溶岩だったため、40~50kmも流下してきたそうです。
溶岩塚は、溶岩流の表面部分が冷えて固まり始めた時、まだ流れようとする周囲の溶岩に圧迫された結果、固まった表面の一部が押し上がって小さな丘になったもので、くり返し溶岩が堆積(たいせき)して、このような塚が形成されました。
三島溶岩の跡は、三島市内のあちこちで見られますが、主に市立公園楽寿園内や沼津市と駿東郡長泉町にある鮎壺の滝などで、見る事ができます。
街中を歩いて、大自然の息吹を感じられる三島の街を、ぜひ探検なされて下さい。
※注1 木片の放射性炭素14を用いた同位元素による年代測定には誤差があります
(みしまぽけっと ぽけっと日記2011/06/23掲載記事再録)